吉岡千尋 個展
吉岡千尋 個展
「mimesis」
2021.04.16 [Fri.] − 08.22 [Sun.]
Chihiro Yoshioka
京都市立芸術大学で油画を学び、2006年同大学大学院を修了。古典絵画の模写から始まる「mimesis」や木々を仰観した「muqarnas」、バラを描いた「sub rosa」などのシリーズがあり、グリッド転写を用いて写し描かれたイメージは揺らぎや隔たりを含みながら立ち現れる。
【past event】
Artist Talk / 2021.05.16 [Sun.] 15:00 - 16:00

今回の展示作品を構成するmimesisシリーズでは、旅行先のイタリアで観たイコン(宗教画)を撮った写真を用いて、600〜700年ほど前に描かれた絵画の一部を様々な方法で模写しています。

「対象を描き写す」というシンプルな方法を、僅かにずらしながら繰り返し行うことで、描かれる対象と描く行為の間に複数の距離を作り出し、それを鑑賞者に提示します。 絵の中の装飾に惹きつけられて描き進められた作品は、伝統的な技法や画材、対象や作品、イメージの固有の大きさ、描き写す行為の実験や検証を経ながら、独自の意味と姿を現します。 2017年に描き始められた本シリーズの対象が、偶然にもペストが猛威を奮った14〜15世紀に描かれた宗教画であること、またそれを2021年という地点から見直すことは、描き上げられたそれぞれの絵の美しさを眺めるだけではなく、私たちと絵との間に生まれる複数の距離が新しく引き寄せる意味について改めて想いを馳せるまたと無い機会になるでしょう。

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